アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード(通称:スカイトラベラー)は、アライアンスの枠を超えた26もの航空会社でボーナスポイントが貯まる、マイルに特化したカード。
このカードを持つメリットがある人は、1つの航空会社に縛られずにいろんな航空会社を利用する機会が多い人になります。
中でも、スターアライアンスの外資系航空会社をメインで利用しながらANAマイルを貯めている人にとっては、唯一の選択肢。
「メインで利用するのはタイ国際航空 or シンガポール航空だけど、ANAマイルを貯めている」
そういった人なら、ANAカードよりもスカイトラベラーをメインカードとして使った方が絶対お得!
ここでは、タイ国際航空やシンガポール航空の搭乗でANAマイルを貯めるという視点から、スカイトラベラーのメリットや特徴について解説したいと思います。
年会費(税込) | 11,000円 |
---|---|
家族カード 年会費(税込) |
5,500円 |
入会資格 | 満20歳以上で安定した収入があること |
限度額 | 審査により個別に決定 |
海外旅行保険 | 最高3,000万円(利用付帯) |
国内旅行保険 | 最高2,000万円(利用付帯) |
ショッピング保険 | 最高500万円 |
ポイントプログラム | メンバーシップ・リワード 100円=1ポイント |
マイル移行可能な 航空会社 |
ANAなど16社 |
支払い方法 | 1回払い (リボ払い・分割払い・ボーナス1回払いは、 入会後6か月以降に申し込みにより利用可) |
発行日数 | 2〜3週間 |
タイ航空・シンガポール航空よりもANAの方が必要マイルが少ない
このページを読んでくれている人の中にはもしかしたら、
「タイ国際航空やシンガポール航空を利用する機会が多いんだったら、それぞれの航空会社のマイルを貯めたらいいんじゃないの?」
って感じる人も多いと思います。
確かにそれも1つの方法。
でも、タイ国際航空やシンガポール航空で直接特典航空券を手に入れるよりも、ANAの提携航空会社の特典航空券の方が必要マイルが少ないんです。
たとえば、タイ国際航空の関空-バンコク往復の特典航空券を手に入れるための必要マイルは以下のとおり。
ANA | タイ国際航空 | |
---|---|---|
エコノミー | 35,000 | 45,000 |
ビジネス | 60,000 | 75,000 |
ファースト | 105,000 | 110,000 |
ご覧のとおり、同じタイ国際航空の特典航空券であるにも関わらず、タイ国際航空のロイヤルオーキットプラスよりもANAの方が少ないマイルで手に入ります。
「ANAマイルの方がタイ国際航空やシンガポール航空のマイルが貯まるなら、ANAカードを持てばいいのでは?」
そういう考えが浮かぶ人も多いと思います。
ANAカードは効率的にANAマイルが貯まりますからね。
ただ、ANAカードはANA便を利用しないなら、メリットを十分に引き出すことができないんです。
ANAカードだとメリットが活かせない
ANAカードは、ANAマイルを貯めるなら定番のクレジットカード。
ANAカードはどこでカード決済をしてもANAマイルが1%貯まる上、ANA便を利用したときの特典もついています。
たとえば、以下のような特典が。
- 航空券の購入でボーナスマイル(最大3%)
- 優先チェックイン(ゴールドカードの場合)
- 搭乗によるボーナスマイル(一般:10%、ゴールド:25%)
ただ、これらの特典はあくまでもANA便に乗ったときだけ。
ANA以外のスターアライアンス便だとまったく恩恵が受けられないんです。
ANAカードは、ANAをメインで利用するなら絶対に持ちたいカード。
けど、タイ国際航空とかシンガポール航空を利用するためにANAカードを持ってても、カード決済でANAマイルが貯まる以外のメリットがないんやって…(泣)
せやから俺はANAカードは持ってないねん。
その点このページで解説しているスカイトラベラーなら、スターアライアンス便の航空券の購入に関しては還元率3%とANAカードよりも優れています。
26社の航空会社で3%のポイント還元
スカイトラベラーの最大の特徴は、26社という多くの航空会社の航空券購入でマイル還元率3%とお得になること。
このページではタイ国際航空やシンガポール航空といったスターアライアンス便の利用について強調しています。
でも、ワンワールドやスカイチーム、さらにはアライアンスに加盟していない航空会社でもマイル還元率3%の恩恵を受けることができるわけです。
スカイ・トラベラー・カードのポイント3倍の対象航空会社など
航空連盟 | 航空会社 |
---|---|
スターアライアンス | ANA、アシアナ航空、エバー航空、オーストリア航空、シンガポール航空、スイスインターナショナルエアラインズ、スカンジナビア航空、タイ国際航空、ルフトハンザドイツ航空 |
ワンワールド | JAL、カンタス航空、キャセイパシフィック航空、フィンランド航空、ブリティッシュ・エアウェイズ |
スカイチーム | デルタ航空、アリタリア-イタリア航空、エールフランス航空、ガルーダ・インドネシア航空、KLMオランダ航空、大韓航空、チャイナエアライン |
なし | エティハド航空、エミレーツ航空、スターフライヤー、フィリピン航空、エア タヒチ ヌイ |
その他 (旅行会社) |
日本旅行、アップルワールド |
ANAやタイ国際航空、シンガポール航空だけでなく、日本のJAL航空券の購入でもマイル還元率3%となるのは注目すべきポイント。
このカードの利用で貯めたポイントはJALマイルには移行できないので、JAL派の人にとっては正直メリットが少ないですが、
「普段はスターアライアンスがメインだけど、たまにJALに乗ることもある」
という人ならメリットがありますね。
普段のカード利用でもマイル還元率1%とお得
スカイトラベラーの航空券購入でマイル還元率3%について、もう少しくわしく説明したいと思います。
このカードを利用しても、いきなりANAマイルが貯まるわけではありません。
このカードのポイントプログラムはメンバーシップ・リワード。
対象となる26社の航空会社の航空券100円につき、メンバーシップ・リワードのポイントが3ポイント付与されます。
このポイントは1ポイント=1マイルとして移行できるので、マイル還元率は3%になるというしくみ。
また、航空券以外のカード決済でも100円につき1ポイント=マイル還元率1%と、ANAカードと同じなんです。
普段のマイル還元率1%っていうのは、クレジットカード全体でみてもけっこうお得な部類。
せやから、このカードを持つなら普段からメインカードとして使うことをオススメ♪
26社の航空券購入でマイル還元率が3%となるのは、航空会社の公式サイトで円建てで決済したとき。
楽天トラベルやエクスペディアなどの旅行予約サイト、さらには海外発券で外貨決済の場合だと、マイル還元率は1%となるので注意しましょう。
ANAの海外発券は円建てなのでボーナスポイントの対象ですが、タイ国際航空やシンガポール航空、もっと言うと日本のJALの海外発券は外貨建てです。
ANAをはじめ16社のマイルに移行できる
メンバーシップ・リワードのポイントは、ANAマイルだけでなく16社の航空会社のマイルに移行できます。
スカイ・トラベラーのポイントをマイル移行できる16社の航空会社
航空連盟 | 航空会社 |
---|---|
スターアライアンス | ANA、シンガポール航空、タイ航空、スカンジナビア航空、シンガポール航空 |
ワンワールド | キャセイパシフィック航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、フィンランド航空、カタール航空プリヴィレッジクラブ |
スカイチーム | デルタ航空、フライング・ブルー(エールフランス航空・KLMオランダ航空)、アリタリア-イタリア航空、チャイナエアライン |
なし | ヴァージン・アトランティック航空、エティハド航空、エミレーツ航空、カンタス航空 |
航空券でマイル還元率3%になるのは26社なのに、マイル移行は16社と減ってしまっていますね(笑)
とは言え、ポイントをアライアンスの枠を超えていろいろな航空会社のマイルに移行できるのは画期的です。
この16社の中にはANAも含まれているので、タイ国際航空やシンガポール航空といったスターアライアンスの航空券の購入でもANAゴールドカードと同じ3%の還元が受けられる上、そのポイントをANAマイルに移行できるわけです。
そのため、スカイトラベラーはタイ国際航空やシンガポール航空といった海外の航空会社を利用する機会が多い人でも、間接的にANAマイルが貯められるというわけですね。
無期限にマイルを貯められる希少カード
あと、メンバーシップ・リワードはポイント有効期限が無期限なのも大きな特徴です。
アメリカのデルタ航空をはじめ、海外の航空会社だとマイル有効期限が無期限のところもわりとあります。
でも、ANAやタイ国際航空、シンガポール航空だと3年…。
シンガポール航空は手数料を支払うことによりマイル有効期限を6か月延長できます。
ただ、特典航空券の交換に必要なマイルの50%以上を貯めていることが条件ですし、手数料がかかるのもデメリットです。
このカードのメンバーシップ・リワードはポイント有効期限が無期限なので、本当の意味で好きなときにマイルに移行して特典航空券を手に入れられるわけです。
俺、若いころにポイント有効期限があるANA VISAカードでANAマイルを貯めてた時期があるんやけど、ポイント失効させてしもた経験があるんよな…。
有効期限か近づくにつれて「何とかして飛行機に乗らんとあかん!」って焦る上に、失効したらめちゃくちゃショックやで(苦笑)
せやから、マイルを貯めるんやったらポイント有効期限が無期限のカードを強くオススメしたい。
ここまで解説したとおり、スカイトラベラーは複数航空会社の航空券購入とマイル移行でメリットがあるという希少なカード。
スターアライアンス便の航空券を買って貯めたポイントをANAマイルに移行するという離れ業が使える希少なカードです。
ただ、ANAマイルに限っては移行上限があるのがデメリット…。
ANAマイルへの移行のみ年間4万マイルの移行上限が。。。
ここまで解説したとおり、メンバーシップ・リワードのポイントは、16社のマイルに移行可能。
ただ、ANAマイルに限っては年間4万マイルまでという上限が決められているんです…。
またANAマイルへの移行に限っては移行手数料として5,500円(税込)が必要に。
そのためANAマイルで年に2回以上バンコクやシンガポール行きの特典航空券を手に入れたい人にとっては、スカイトラベラーはあまり使えないカードになってしまいます。
また、ビジネスクラスやファーストクラスの特典航空券を手に入れたい場合も、4万マイルを2~3年に分けて移行するという手間が…。
なお、スカイトラベラーのポイントをANA以外の航空会社へマイル移行する場合だと年間上限はない上、移行手数料も無料です。
そのため、ANAマイルの移行上限4万マイルを超える分はほかの航空会社のマイルに移行して使うという選択肢も一応はあります。
ただ、そもそもタイ国際航空やシンガポール航空を利用しながらANAマイルを貯めている理由は、特典航空券の必要マイルが少ないから。
それなのにタイ国際航空やシンガポール航空のマイルに移行するのは、けっこう抵抗がありますよね…。
スカイトラベラーの特徴を簡単にまとめると、
- タイ国際航空とかシンガポール航空をはじめ26社でマイル還元率3%相当のポイントが貯まる
- どこで使ってもマイル還元率1%と高い
- ポイント有効期限は無期限
- けど、ANAマイルは年間移行上限(4万マイル)と移行手数料があるので注意
こんな感じ。
スターアライアンス便の航空券購入でお得にポイントを貯めて、必要マイルの少ないANAマイルで特典航空券を手に入れられるって部分を活かせるかどうかがやな。
入会・継続でボーナスポイント
このカードは、入会や毎年のカードの継続でもポイントがプレゼントされます。
具体的には、入会ボーナスとして3,000ポイント、そしてこのカードを継続して持っているだけで、毎年1,000ポイントが。
これらの入会・継続ボーナスで、このカードの年会費1万1,000円(税込)の負担を抑えることができるわけです。
スカイトラベラーの年会費1万1,000円(税込)は、アメックスの中では2番目に低い金額やで。
(1番年会費が低いアメックスはANAアメックスの7,700円・税込)
その年会費を入会とか継続っていうただ単にカードを持ってるだけでもらえるボーナスポイントで実質的に値下げできるんは嬉しいな♪
そして、このカードを持つ人は当然タイやシンガポールなど海外へ行く機会が多くなるはず。
そのための海外旅行サービスをここから解説していきますね。
スカイトラベラーの海外旅行サービス
最初に念を押しておきたいのは、このカードの海外旅行サービスは他社ゴールドカードと同じレベルだということ。
アメックスと言えば海外旅行サービスが豪華なイメージがありますが、このカードの海外旅行サービスはほかのアメックスよりも省かれています。
ここからは、スカイトラベラーの海外旅行サービスを紹介していきますね。
空港ラウンジサービスは同伴者1名無料
海外旅行と言えば人気のサービスが空港ラウンジサービス。
飛行機の搭乗時間を、ソファーに座りながら無料のドリンク・お茶をいただきながらすごすことができます。
無料Wi-Fiや電源コンセントもあるので、スマホを充電しながら時間を潰すことも可能。
空港での待ち時間は1~2時間、あるいはそれ以上になることも珍しくないので、ぜひ活用したい付帯サービスです。
この空港ラウンジサービスは多くのクレジットカードに付帯していますが、スカイトラベラーならカード会員だけでなく同伴者1名も無料に。
奥さんや友だち、仕事の同僚などと一緒に飛行機に乗るとき、2人一緒に空港ラウンジを利用できるというわけです。
なお、スカイトラベラーをはじめとするアメックスの空港ラウンジサービスは、以下のページでくわしく解説しています。
海外からの24時間365日電話サポート
海外旅行中のトラブルに24時間365日、日本語による電話サポートが受けられるグローバル・ホットラインが付帯します。
海外旅行中のトラブルというのは、例を挙げると以下のようなもの。
- パスポートの紛失・盗難
- 現地での病気やケガ
- 空港やホテルで言葉が通じず話がかみ合わない
グローバル・ホットラインでは、こういったトラブルに日本語で電話対応してくれます。
と、ここまでの内容なら多くのゴールドカードに付帯しているものと同じ。
ただ、アメックスは世界1,300ヶ所中に拠点・支社を持つ世界1,300ヶ所企業。
現地スタッフがその国・地域の法律や現状にマッチした対応を的確にアドバイスしてくれるというわけです。
この点が、他社ゴールドカードではなくグローバル・ホットラインを利用する大きなメリットです。
帰国時の手荷物無料宅配サービス
先ほど紹介した空港ラウンジサービスと並んで人気のサービスが手荷物無料宅配サービス。
このサービスは、自宅・空港間でスーツケースのような手荷物1個を無料で配送してくれます。
海外旅行と言えば必ずと言っていいほど持ち歩くスーツケースを持ち歩く必要がなくなるのは便利ですね。
このサービスの使い方は簡単。海外からの帰国時、空港内にある受付カウンターでスカイトラベラーを提示して手荷物を預ければOK。
事前の申し込みなどは不要で、預けた手荷物は翌日には自宅に届けられます。
このサービスは、他社ゴールドカードに付帯しているのと同じ内容です。
海外旅行保険は頼りない。。。
海外旅行と言えば絶対に必要な海外旅行保険。
…なのですが、ハッキリ言ってこのカードの海外旅行保険は不十分な補償金額(泣)
東南アジアへの旅行だと海外旅行中の病院代である疾病傷害治療費用は300万円程度補償して欲しいところ。
疾病傷害治療費用が300万円は必要だという理由については、「アメックスの海外旅行保険は不十分!その理由と対策を解説」のページでくわしく解説しています。
ところが、このカードの疾病傷害治療費用はたったの100万円…。
スカイトラベラー1枚だけでは、海外旅行中の病気・ケガに対応できない可能性が高いと言えます。
なので、このカードとは別に海外旅行保険が付帯するクレジットカードを持つなどの対策が必要です。
なお、スカイトラベラーの海外旅行保険の補償金額を以下の表にまとめました。
スカイ・トラベラー・カードの旅行傷害保険の対象範囲と補償金額
保険の種類 | 保険金額 | |
---|---|---|
本人 | 家族 | |
傷害死亡・ 傷害後遺障害 |
最高3,000万円 | 最高1,000万円 |
疾病傷害 治療費用 |
最高100万円 | |
賠償責任保険 | 最高3,000万円 | |
携行品損害保険 | 年間100万円 | |
救援者費用 | 最高200万円 |
アメックスって言ったら海外旅行に強いイメージが強いけど、海外旅行保険の補償金額が少なすぎる点は注意してや。
スカイトラベラーに付帯する海外旅行サービスをもう1度まとめると、以下のとおり。
- 空港ラウンジサービス(同伴者1名も対象)
- グローバル・ホットライン(アメックスが持つ世界1,300ヶ所中の拠点で対応)
- 手荷物無料宅配サービス
- 海外旅行保険(疾病傷害治療費用が100万円と少ないことに注意)
このカードはタイ国際航空やシンガポール航空といった海外航空会社の航空券購入でメリットがあります。
そのことを思うと、これらの海外旅行サービスが活用できるのは魅力的です。
スカイトラベラーまとめ
ここまで、タイ国際航空・シンガポール航空といったスターアライアンス便をメインで利用しつつANAマイルを貯めるという角度から、スカイトラベラーについて説明しました。
このカードの最大の特徴は、対象26社の航空券購入でマイル還元率が3%、そしてカード利用で貯めたポイントは16社のマイルに移行できること。
そのため、海外のスターアライアンス便を利用しながらもANAマイルで提携航空会社の特典航空券を手に入れたい!
そういった人に適した希少なカードだと言えます。
また、航空券の購入以外のカード利用でもマイル還元率1%とANAカード・JALカード並み。
なので、このカードを手に入れたらメインカードとしてあらゆる支出に活用することをオススメします。
年会費(税込) | 11,000円 |
---|---|
家族カード 年会費(税込) |
5,500円 |
入会資格 | 満20歳以上で安定した収入があること |
限度額 | 審査により個別に決定 |
海外旅行保険 | 最高3,000万円(利用付帯) |
国内旅行保険 | 最高2,000万円(利用付帯) |
ショッピング保険 | 最高500万円 |
ポイントプログラム | メンバーシップ・リワード 100円=1ポイント |
マイル移行可能な 航空会社 |
ANAなど16社 |
支払い方法 | 1回払い (リボ払い・分割払い・ボーナス1回払いは、 入会後6か月以降に申し込みにより利用可) |
発行日数 | 2〜3週間 |
俺がタイへ行くときは、いつも関西国際空港-バンコク行きのタイ国際航空便。
ANAにはまったく乗らんけど、必要マイル数が少ないって理由でANAマイルを貯めてるってわけ。